「死んだらどこに行くの?」
「ねぇねぇお坊さん、おじいちゃんは死んだらどこに行くの?」
十七回忌法要の後、ご家族とお話をしている時に、小学校3年生ぐらいの男の子がトコトコと私の前に駆け寄ってきて言われた質問です。
実に素直な子供さんで、お話が大好きな好奇心旺盛な子です。
その質問の答えに対して私は
「おじいちゃんはね、姿形は〇〇君の知っているおじいちゃんではないけれど、いつも〇〇君の傍で見守ってくれているよ。」
と答えると
「ふ~~ん...。」
とよく分かっていない様子で頭を傾げていました(;-;)。
私達お坊さんたる者、どの世代の方達にもわかりやすいお説法が出来るように日々精進しています。なるだけお子さんにも伝わるように、容易な言葉を選び、聞き心地の良い口調で話すようにしています。それでも伝わらないのは、単なる私の修行と勉強不足という事でしょう(;-;)
『ご先祖様はいつも傍で見守ってくださっている』
よく耳にする言葉ですが、本当に皆様は心の底からそう思っているでしょうか。
一部の人の中では、「死んだら何も残らない、無だ。」とか、「魂も残らないし、生まれ変わりもしない。」という考えをお持ちになられている方もいるようです。
未だかつて「あの世」から生還した人は居ないので、そのような考えを否定する事は誰にもできません。
でも、やっぱりご先祖様は大切にしていきたいし、いつも傍で見守っていてくれているという実感を持ち、毎日を充実して過ごしたい、という思いがあるかと思う訳でございます。
私達は臨終の後、火葬場へと運ばれ、炉の中に入り遺骨となります。火葬の時に出た煙が空へ舞い上がり、その煙はやがて雨を降らします。その雨が大地に降り注ぎ、大地の作物を育み、あらゆる生命の命の水となります。その作物や生き物を、私達が体内に取り込む事で、活きるエネルギーに変えていたりもしています。
遺骨も同じです。長い年月が経過すればやがて遺骨は土に還ります。そうして出来た土が、また新たな命を育んでいくのです。
私達の命は、何度も何度も色々なモノに宿り、姿形を変えて、遍く一切のモノに行き渡ります。
つまり、自分を含む、私達の身の回りに存在する全てのモノがご先祖様(ほとけ様)と言っても過言ではないという事です。お墓参りの時に、周りに飛んでいる蚊を殺してはいけないのは、もしかしたらその蚊が、ご先祖様のどなたかもしれないからです。
『阿字の子が 阿字の古里立ち出でて また立ち還る 阿字の古里』
人間の生き死にというのは、岸辺の波とよく似ています。高い波が出来たと思えば、たちまち崩れて海に還っていく。そしてまた新しい波が出来て、すぐに海に還っていく。
例え肉体が滅びたとしても、魂は元の場所に還っていき、新しい命となって生まれ変わります。
この世にある全てのモノは、そうやって生まれ変わり、移り変わりしている最中なんです。
ご先祖様の存在を日々感じながら、また、そのご遺徳を忘れる事がないように、ご先祖様の前で手を合わせましょう。
『ご先祖様!今日も一日無事に終える事ができました!いつも私の近くで、姿形を変えて見守ってくれているんですよね?ありがとうございます!明日もどうか、お守り下さいませ!南大師遍照金剛!』
紫雲寺副住職 山本密雄
合 掌
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【ブログ筆者プロフィール】
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山本密雄
1992年福岡県北九州市生まれ
高校卒業後、18歳から修行の地、和歌山県高野山へ。以後5年間、高野山の寺院で修行を重ねながら、高野山大学に通う生活を送る。
21歳の時、高野山専修学院に入学。真言宗の僧侶資格「阿闍梨」位を取得。真言僧侶となる。
大学卒業後、地元に福岡に帰り、高野山真言宗紫雲寺に帰山。
以後、お寺の維持管理や檀家参りを行いつつ、御詠歌・声明の布教活動に今日まで携わってきた。
現在は、地元の詠歌青年会の一員として、全国の御詠歌公演に出仕したり、日々御詠歌の布教活動を行っている。
【お問合せ】
名前:高野山真言宗 紫雲寺
住所:福岡県北九州市八幡西区香月西2-4-36
電話番号:093-617-3601
メールアドレス:shiunji@seiaihoikuen.jp
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